30代半ばまで、私は法律雑誌の編集者として仕事をしていました。
TOEICのスコアが735点あるということで、弁護士事務所のアシスタントの仕事に即決しました。
最初は時給1700円で、派遣社員としては、高めの時給でした。
「TOEICって、本当に役に立つんだな~って、その時しみじみ思いました。
私が派遣社員として仕事していた弁護士事務所には、弁護士さんが100人くらい所属していました。
取引先の方は外国籍で、日本語がわからない方も結構いました。
英語圏のネイティブスピーカーのクライアントさんが多かったので、電話応対もメールも、3~4割が英語でした。
メールは自分のペースで読んで、自分のペースで書くことができたので、何とかなったんです。
やっぱり電話応対の方が、難しかったですね。
現場の英語はスピードも速いし、ハッキリ聞き取れないこともあります。
TOEICのリスニングテストの英語が、いかにキレイな英語なのか、現場で仕事するようになってからわかりました。
英語といっても、いろんな国の訛りもあります。
仕事上のやりとりですと、急いでいる人や、興奮状態でまくしたてる方とか、いろんな方がいます。
それでもきちんと話を聞いて、受け答えして、適切な部署に電話をつなぐことはできました。
それほど大きなミスはなく、なんとか英語で対応していました。
私は1日8時間以上の猛勉強を1ヶ月続けて、TOEIC735点とりました。
自分では「付け焼刃的な英語力かな~」という、後ろめたい気持ちもあったんです。
でも資格欄に「TOEIC735点」と書いて、英語を使う仕事に採用され、やってみたら何とかなって。
「現場に行けば、なんとかなっちゃうんだな~」って思ったのが、今でも記憶に残っています。
現場で仕事するようになってからも、わからないことは必死で、スキマ時間を使って勉強していました。
仕事しながら勉強しているみたいな感じで、仕事にくらいついていった感じです。
この職場は、仕事中に手があいている時には、本を読むことが許可されていました。
私は英語の本を読んだり、参考書を見たりしていましたね。
移動中の電車の中で英単語を覚えたり、家でCDを聞いたりもしていました。
この仕事は1年くらいで辞めてしまったのですが、時給は1750円まで上がりました。
TOEIC735点と履歴書に書けば、英語を使う仕事に応募できます。
貿易事務の仕事に応募して通ったこともありましたし、書類審査には受かりやすい状態でした。
私は心理セラピストの仕事もしていたのですが、収入にはかなりアップダウンの波があります。
「もうちょっと安定したいな~」という思いがありました。
その一方で英語ができる周りの知人は、自宅で翻訳の仕事をしたり、英文のライティングをしたりしています。
定年とか関係なくて、長く仕事を続けているんですよね。
こういう知人たちを見ていると、「英語ができると、労働市場でも賞味期限長く働けるな~」と思いました。
私も老後をみすえて、頼りになるような資格が欲しいなと。
私は旧形式のTOEICで735点とって、「TOEICという資格は、本当に力がある」と実感していました。
だから「もう1回、がんばってみようかな」と、また受験することにしたのです。
新形式のTOEICを受験するにあたり、私は3ヶ月くらい勉強しました。
日本ではTOEICの過去問がのっている問題集は、出ていないんです。
公式問題集という、TOEICにかなり近い問題を解いたりしていました。
YouTubeでは、TOEICのリスニングの過去問がアップされているものがあって、それを聞いていました。
スキマ時間に単語を覚え直したり、リスニングの音源を聞いたりして、新形式のTOEIC受験に向けて準備しました。
しかしながら結果は・・・ガクッと点が落ちて、590点だったんです。
正直いってショックで、愕然としました。
TOEICで590点というのは、平均点よりちょっと上くらいのスコアです。
本にも書かれていますが、新形式のTOEICは難しくなっています。
旧形式のTOEICは、ペーパーテストを受け慣れている人だったら、「これが正解だな」とわかるくらい簡単だったんです。
旧形式の問題がパターン化されていたのに対し、新形式は多岐にわたるいろんなパターンの問題が出ます。リスニングも難易度が高くなりました。
公式問題集を解きまくるだけでは、なかなか高得点がとれなくなってきたのです。
TOEICで735点というのが、自分にとっては支えになっていました。
周りからも、英語ができる人とみなされていましたし。
そのスコアがガクッと落ちて、プライドがズタズタになり、打ちひしがれた状態になっていました。
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